監査に耐えられるWACCの計算方法 3-負債コストの決定

簡便的な方法として、以下の3つが考えられます。
1.日本証券業協会の格付マトリクスを使用する
BBB格以上の格付けのある会社に限定される方法です。
日本証券業協会→「公社債店頭売買参考統計値関係」→「格付マトリクス」
の長期社債の利回りを使用します。
WACCは、会社が超長期にわたり事業を継続することを前提としているため、
残存年数はデータが存在する最も長い期間を採用します。
2.現在の借入利率を使用する(借入契約書などから調べる)
こちらも、可能な限り長期の借入利率を使用します。
借入が複数存在し、利率もまちまちの場合、平均をとります。
3.表面利回りを使用する
もっと簡便的にする場合には、
直近期の支払利息/直近期の有利子負債の平均残高(期首残高-期末残高)
を使います。
ただし、短期借入も長期借入も混ざってしまうため、
WACCが超長期を前提とすることを考慮すると
少々乱暴な方法だとは思いますが、よく使われています。