IFRSの適用状況

東証が、9月1日に
「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容の分析について
を公表しました。
「会計基準の選択に関する基本的な考え方」は、
平成27年3月期の決算短信から開示されており、
IFRSの適用状況と今後の適用予定を知ることができます。
開示内容の分析の対象となった会社は、
・2015年3月決算で、
・会計基準の選択に関する基本的な考え方を開示し、
・東証に上場している会社
が中心となっており、合計で2,374社です。
時価総額に占める割合でみると、
・IFRS適用済み68社(101兆円)
・適用を決定済み23社(15兆円)
・適用予定の会社112社(31兆円)
の合計で、分析対象の合計(525兆円)の24%を占めています。
それに対して、
会社数の割合でみると
(68+23+112)/2,374社=9%です。
つまり、今のところは海外に大きく展開するような
超巨大企業にしか、IFRSは縁のない話であると言えます。
そのため、
書籍、会計専門誌、ウェブサイト、監査法人などから
現在入手可能なIFRS導入事例や導入のノウハウは、
このような超巨大企業向けのものが、ほとんどではないでしょうか。
超巨大企業向けのノウハウなので、
とにかく慎重で、時間がかかる
という特徴があります。
なかでも、
・会計方針の検討
・影響度調査・分析
・マニュアル・指針の整備
といった、開示や数字を作る以前の
下準備にとにかく時間をかけます。
失敗は許されないので、仕方ないのでしょうが、
いわゆる中堅企業や大企業の子会社向けには、
やり過ぎだと思います。
中堅企業や大企業の子会社が
最少コストでIFRS導入するためには、
こちらの記事で書いた方法がベストだと信じています。