IFRSアカウンティング・マニュアルって本当にいるの?

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Dictionary / greeblie

 

 

IFRSは原則主義のため、

詳細なガイダンスが存在しない。

 

そのため、会社で詳細な会計方針を決定し、

それをIFRSアカウンティング・マニュアル

(IFRS会計方針書)として整備しなければならない

 

と言われています。

 

しかし、私が今まで実際に見てきた

アカウンティング・マニュアルは

ほぼIFRS基準書のコピーで、

詳細な会計方針には触れていないものが

ほとんどだったと思います。

 

IFRSの聖地であるヨーロッパの会社の

アカウンティング・マニュアルを見ても、

基準書とほぼ同じことが書いてあります。

(ごく一部例外の会社はありました。)

 

アカウンティング・マニュアルを作成する理由

 

IFRSが原則主義というのも理由だと思うのですが、

連結グループの会社が全て同じ会計処理をすること

が最も大きな理由だと思います。

 

マニュアルを整備し、全社展開することで、

同じ会計処理をしていることをアピールするわけです。

 

しかし、詳細なことは書けない

 

現実問題としてマニュアルに

詳細な記述はできないと思います。

 

自分で作ったルールで自分の首を絞める

可能性があるためです。

 

固定資産の時価の算定方法を

「不動産鑑定士の評価を用いる」

と書いてしまえば、固定資産税評価額を

使用することはマニュアル違反になります。

 

毎回鑑定評価を使用すれば、

お金がかかって、しょうがありません。

 

固定資産の耐用年数をアカウンティング・マニュアルで

画一的に決定した場合では、子会社によって固定資産の

使用状況が違うからといって、異なる耐用年数を使用すれば、

マニュアル違反になります。

 

そのため、幅を大きくもたせた耐用年数を

アカウンティング・マニュアルに記載することになります。

 

子会社ごとにビジネスも環境も異なるため、

判断の余地を残したマニュアルすることで、

実務に柔軟に対応できるようにするわけです。

 

アカウンティング・マニュアルの形骸化

 

その結果として、アカウンティング・マニュアルは、

IFRS基準書に似通ってしまい、

誰も見ないマニュアルになることがあります。

 

せっかく作ったアカウンティング・マニュアルより、

この本を見ることの方がずっと多いわけです。

国際財務報告基準(IFRS)2014

 

では、どうするか

 

私のおすすめも、アカウンティング・マニュアルに

「詳細な記述はしない」になります。

 

アカウンティング・マニュアルの

テンプレートを入手し、売上や固定資産のように

大事なところを少しメンテナンスします。

 

形は整える必要がありますが、

それで十分な気がします。

 

会計方針の大枠だけ示した上で、

細かなところは、親会社が展開する連結パッケージや

各社での決算業務マニュアルの中などで、

地道に整備していくしかないと思います。

 

余談ですが

 

アカウンティング・マニュアルが基準書に似てくるということは、

IFRSは十分に詳細なのではないでしょうか。

 

私は、IFRSって本当に原則主義なの?

と素朴な疑問を持っています。

 

  • IFRS第9号「金融商品」
  • IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
  • IASB/FASBが公表したリース会計基準改訂案

 

このあたりは、日本基準よりもずっと細則主義で、

マニアックで、学者好みで、難しいと思います。

 

本当に、これからも原則主義と言われ続けるのでしょうか。。