開示の重複は削減されるか

開示の重複は、長年、問題視されています。
開示制度としては、
- 金融商品取引法
- 会社法
- 証券取引所上場規則
の3つの制度が存在します。
それぞれの制度に従って、
開示書類を作成することで、
- 四半期決算短信と四半期報告書
- 計算書類と有価証券報告書
といった代表的な開示の重複が発生しています。
開示の重複を削減するための動き
現在、金融庁の金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」
というところで、開示重複による非効率を削減するための議論が行われています。
四半期開示では、
- 平均すると四半期末の約34日後に四半期決算短信を公表し、約41日後に四半期報告書を開示している
- 1週間遅れでほぼ同じものを開示することにどれだけの意味があるのか
- 四半期決算短信と四半期報告書を一本化してもいいのではないか
といった意見が出されているようです。(経営財務3236号より引用)
なぜ開示の重複が存在するのか?
一言で言えば、
「法律が違うから」
というのが理由なのでしょう。
しかし、本当は、
「減らすのが怖いから」
だと思っています。
何事も、増やすのは簡単で、
減らすことの方がよっぽど難しいです。
なぜなら、
減らしたところから問題が発生することが怖く、
誰もリスクを取りたがらないからです。
なので、監査でも、内部統制でも、コーポレートガバナンスでも、
毎年やることだけが増え、一向に減らそうという動きが見えません。
たまに減らす場合でも、表面的なものに留まり、
本当に無駄だと思っているところには手がつけられません。
開示も、全く同じ状況なのだと思います。
2014年3月期に、
有価証券報告書における単体開示の簡素化が行われ、
約8割の会社が改正規定に従い、簡素化しました。
今回の開示効率化の議論は、
より突っ込んだ内容になっていると思います。
削減は勇気のいる作業ですが、
有価証券報告書の単体開示がなくなるぐらいの
思い切った削減を期待しています。