繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)のポイントまとめ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
5 / squidish

ASBJが2015年5月26日に、
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」
を公表したので、ポイントをまとめました。  

公開草案のポイント

文中引用部分は、 「コメントの募集及び本公開草案の概要」 からの抜粋になります。

1.監査委員会報告第 66 号の5分類を維持する。

監査委員会報告第66号における企業の分類に応じた取扱いを撤廃する場合には実務への影響が大きいと考えられることから、本公開草案では当該取扱いの枠組み、すなわち企業を5つに分類し、当該分類に応じて繰延税金資産の計上額を見積る枠組みを基本的に踏襲した上で、当該取扱いの一部について必要な見直しを行うことを提案している。

2.分類1から5の要件をいずれも満たさない場合の取扱いが新たに規定された。

本公開草案では、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等に基づいて繰延税金資産の回収可能性を判断する際に、要件に基づき企業を(分類 1)から(分類5)に分類し、当該分類に応じて、回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定することとした上で、(分類 1)から(分類 5)に係る分類の要件をいずれも満たさない企業は、過去の課税所得又は税務上の欠損金の推移、当期の課税所得又は税務上の欠損金の見込み、将来の一時差異等加減算前課税所得の見込み等を総合的に勘案し、各分類の要件からの乖離度合いが最も小さいと判断されるものに分類することを提案している。

3.(分類2及び3)分類の要件を、利益から課税所得へ変更する。

監査委員会報告第 66 号では、(分類 2)及び(分類 3)について、「経常的な利益 (損益)」という会計上の利益に基づく要件としていたのに対し、本公開草案では、「臨時的な原因により生じたものを除いた課税所得」に基づく要件に変更することを提案している。

4.(分類2)スケジューリング不能な将来減算一時差異に対しても、合理的に説明できれば繰延税金資産を計上できる。

本公開草案では、(分類 2)に該当する企業においては、原則として、スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産について、回収可能性がないものとしつつ、スケジューリング不能な将来減算一時差異のうち、税務上の損金算入時期が個別に特定できないが将来のいずれかの時点で損金算入される可能性が高いと見込まれるものについて、当該将来のいずれかの時点で回収できることを合理的に説明できる場合、当該スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産は回収可能性があるものとすることを提案している。

 
5.(分類3)5年を超える期間においてスケジューリングされた将来減算一時差異に対しても、合理的に説明できれば繰延税金資産を計上できる。

本公開草案では、(分類 3)に該当する企業においては、臨時的な原因により生じたものを除いた課税所得が大きく増減している原因、中長期計画、過去における中長期計画の達成状況、過去(3 年)及び当期の課税所得の推移等を勘案して、5年を超える見積可能期間においてスケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能であることを合理的に説明できる場合、当該繰延税金資産は回収可能性があるものとすることを提案している。

6.(分類4)に係る分類の要件を満たす企業でも、合理的に説明できれば、(分類2)又は(分類3)に該当するものとして取り扱う。

本公開草案では、過去(3 年)又は当期において重要な税務上の欠損金が生じていること等により(分類 4)に係る分類の要件を満たす企業においては、重要な税務上の欠損金が生じた原因、中長期計画、過去における中長期計画の達成状況、過去(3 年)及び当期の課税所得又は税務上の欠損金の推移等を勘案して、将来の一時差異等加減算前課税所得を見積る場合、将来において5 年超にわたり一時差異等加減算前課税所得が安定的に生じることが合理的に説明できるときは(分類 2)に該当するものとして取り扱い、将来においておおむね 3 年から 5 年程度は一時差異等加減算前課税所得が生じることが合理的に説明できるときは(分類 3)に該当するものとして取り扱うことを提案している。

 
7.注記事項 公開草案では、注記事項の追加については提案されていません。 現在、以下が議論中のようです。

  • 評価性引当額の内訳
  • 繰越欠損金の情報(金額、繰越期限、繰延税金資産の計上根拠など)
  • 企業分類(分類1から5のどれか)
  • 5年を超える見積可能期間に係る繰延税金資産の計上金額と計上根拠(分類3のみ)

 
8.適用時期および適用時の取扱い

  • 強制適用:平成28年4月1日以後開始する事業年度の期首
  • 早期適用:平成28年3月31日以後終了する事業年度の期末
  • 適用初年度は、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う
  • 適用による影響額は、適用初年度の期首の利益剰余金に加減する

 
(所感)
監査委員会報告第 66 号の5分類を 維持しているためか、
実務に落とす上で、あまり今までと 変わっていないような気がします。。。  

66号は、日本の独自仕様すぎて、
海外の監査人に説明しても 全く理解してもらえず、
苦労した記憶があります。  

特に分類4が翌期1年で区切るところ が理解不能みたいです。