繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)の適用は、簡単な気がする

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現在、繰延税金資産の回収可能性の判断指針
(監査委員会報告第66号)の見直しが行われています。  

見直し案である
繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)
では、監査委員会報告第66号の分類3の会社について、 以下のように定めています。  

5年を超える期間においてスケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能性であることを合理的に説明できる場合には,その範囲における繰延税金資産は回収可能性があるものとする。

 従来は5年を限度として スケジューリングを行っていたので、
5年超の期間に関連する繰延税金資産が
追加計上される可能性があります。  

新適用指針は、平成28年3月期末の早期適用を検討中です。  

早期適用時の懸念点

今週の経営財務(No. 3211)で早期適用時の懸念点
に関する記事がありました。  

分類3の企業が適用指針案の早期適用により5年超の見積りを行い,これに基づいて繰延税金資産を計上する場合は,早期適用年度の期首時点において5年を超える分の課税所得の発生が「合理的に見積れたかどうか」を判断する必要がある。しかし期首時点で5年分の見積り資料しか準備されていなかった場合,期首時点で5年超の見積りができたかどうか判断することは困難と想定されるため,監査上支障をきたすのでは,との意見がある。

個人的には、実務上、あまり問題にならないのかなと思っています。  

というのは、課税所得の発生について
5年分の見積り資料を準備している会社は
ほとんど存在しません。  

せいぜい3年分の見積りをもって
今後も同じ傾向が続くと予想し、5年でも大丈夫としています。  

つまり、5年を超える期間の見積り方法は、
「5年分大丈夫なら5年超も大丈夫だろう」
というものになると予想しています。  

また,期首時点で5年超の見積りを行う場合は累積的影響額が利益剰余金に計上される。これに対し,期首時点で5年超の見積りが行えないとすると影響額は当期純利益に計上され,操作性の余地が生じうるとの指摘もある。

これはおっしゃるとおりでしょうね。  

どちらかと言えば、
「期首では5年超の見積りはできませんでした。でも、期末にはできます。」
という方が不自然だと思っています。  

この場合、繰延税金資産が増える影響は 当期純利益に計上され、
記事に書かれているとおり、利益操作の余地が残ります。  

遡及修正すべきか、当期純利益で計上すべきか、
最終基準では、どのように判断する ことになるのか気になるところです。