新税効果基準 適用初年度の取り扱い②

消費税の軽減税率を適用する範囲について、
自民党と公明党で意見がまとまらないようです。
自民党は、生鮮食品だけを含める、
公明党は、生鮮食品+加工品にする
と、主張しています。
でもって、面白いのが、
生鮮食品と加工品の線引きが難しいことです。
- お米は、生鮮食品(軽減税率)
- おにぎりは、加工品(標準税率)
- マグロのお刺身は、生鮮食品(軽減税率)
- マグロとタイのお刺身盛り合わせは、加工品(標準税率)
- 牛肉のひき肉は、生鮮食品(軽減税率)
- 牛肉と豚肉の合いびき肉は、加工品(標準税率)
などなど、
素人では、判断に困るものが多く、
混乱しそうですね。
ユーザーのことを考えず、ルールが決まっていくのは、
どの業界でも似たようなものだなと、思いました。
(補足:12月9日のニュースを見ると、
自民党が譲歩し、加工品も含めることになったようです。)
前置きが長くなりましたが、
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」の適用初年度の取り扱い。
週間経営財務No.3239によれば、
以下の3つに該当する場合は、
期首利益剰余金で調整することになりました。
この3つの要件には、
会計基準が「実質的に変更されている部分」が該当します。
①分類2の企業において、スケジューリング不能な将来減算一時差異について回収可能であることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には回収可能性があるとする取扱い。
②分類3の企業において、おおむね5年を明らかに超える見積可能期間においてスケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能であることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には回収可能性があるとする取扱い。
③分類4の要件に該当する企業でも、将来において一時差異等加減算前課税所得が生じることを企業が合理的な根拠をもって説明する場合には分類2に該当するものとする取扱い。
何が「実質的に変わった」のか。
個人的には、わかりやすいのですが、
ある程度会計に詳しくなければ、わからないという意味で
消費税と大差ないのかもしれません。
でもって、決算書を利用する人が、
税効果会計が変わったことまで意識して決算書を読むとは思えません。
なので、剰余金調整という手間の分、
面倒になっただけかもしれませんね。