監査クライアントがホンネを話さなくなる理由

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会社経理のサポートをしていると、
「監査法人にどこまで相談しようか」
と、悩んでいる姿をよく見かけます。

監査人としては、クライアントが全てを話してくれている
と、信じこむのは危険です。

しかし、何よりも怖いのは、監査クライアントが
ホンネを話さなくなることでしょう。

では、ホンネを話さなくなるのは、どのような時か。

会計処理の見解が割れただけでは、
その理由にはなりません。

ホンネを話してくれなくなるのは、
いわゆる杓子定規な回答しかしない時です。

たとえば、会社の相談に対して、選択肢も用意せず、
一方的に会計基準に書いていることしか言わない場合、

「そんなこと知っているよ。」
と、なる訳です。

わざわざ相談するのは、
会計基準には、Aと書いてある。

  • しかし、Bという選択はできないか、
  • または、Bとするためには何を用意すれば良いか。
  • どうしても、Bを選択できない場合、その理由は何か?

このようなことが知りたい訳で、
バツのものを無理やりマルにして欲しい訳でもありません。

クライアントに対して厳しいことを言ったとしても、
相手の立場、視点に立っていれば、
「この人は自分たちのことをよく理解してくれている」
と、信頼を寄せてもらうことができます。

その逆のことをすれば、
「この人は本当に何もわかっていない」となり、
相談しても無駄だから何も言わずに自分たちで解決しよう、となります。

これが、監査で最も怖い状況だと言えます。

なお、この問題は対監査クライアントだけでなく、
対監査チーム内でも同じです。

監査責任者であるパートナーのよくある悩みとして、
「監査現場の情報が上がってこない」
というものがあります。

監査現場のマネージャーなり、インチャージなりが、
勝手にクライアントと合意し、事後報告される。

最悪の場合、最後まで報告なく、
監査が終わることもあります。

もちろん悪いのは勝手に合意する部下ですが、
パートナーがきちんと「部下のこと、現場ことを理解しているか」
ということが大切です。

一方的に、あるべき監査手続を要求しても、
「それが、できない」という場面が必ず出てくるので、
そこに理解を示すべきです。

人間は、誰しも「自分のことを理解してもらいたい」と思っているので、
そのような心配り1つが大きなコミュニケーションのカギになるのではないでしょうか。