監査法人ローテーション制度の概要

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会計不祥事が起きる都度、監査法人のローテーション制度が議論されます。

馴れ合い監査が行われているのではないか?
と、疑いの目で見られているためです。

そして、欧州では、世界に先駆けて2016年6月から監査法人のローテーション制度が導入されます。

今週の経営財務(3229号)に、
欧州におけるローテーション制度の概要
に関する記事があったので、ご紹介します。

監査事務所の継続監査期間は最大10年

ただし、この期間には,EU加盟国に次の選択肢が認められている。
①期間終了後,入札を行って同じ監査事務所が選定された場合は,一回に限りこれを認める(同じ事務所が最大20年にわたって監査することになる)

②期間終了後、共同監査として就任する場合は、最大10年の期間を最大14年まで延長できる(期間終了後の次の期間も同じ事務所が共同監査で入る場合、その事務所は最大24年にわたって監査することになる)

適用から2年遡った2014年6月16日時点で監査を担当している事務所については、例えば、その時点で11年未満か11年超かなどの在任期間に応じた移行措置が設けられており、加盟国により実施後の交代のタイミングが異なる状況が予想される。

・但し書きの2つの選択肢
・すでに10年以上監査を実施している場合の移行措置
これらの詳細は、これから詰められるようなので、
具体的な影響がわかるのは、まだ先のことです。

監査法人のローテーション制度を導入することの影響は、
以前の記事に書いたとおりだと思っています。

メリット
新しい目で監査ができる

デメリット
監査負担の増加(特に初年度監査)

影響が不明
監査報酬が増えるのか、減るのか。
初年度の監査負担の増加は、監査報酬の引き上げ要因になるが、
定期的なコンペによる競争は引き下げ要因になる。

なぜ、欧州で最初にローテーション制度が導入されたのか?
という点ですが、欧州の大企業では、数年に一度、
監査事務所の大規模コンペをすると、聞いたことがあります。

でもって、コンペによって監査報酬が大幅カットになったから、
「日本の子会社の監査も安くしてくれ」
と、欧州の監査人から依頼を受けたこともあります。

日本の会社で、監査事務所の大規模コンペなどは、
ほとんど聞いたことがありません。

なので、欧州では、文化的に監査事務所のローテーション制度が
導入しやすい土壌にあったのかもしれません。

少なくとも、米国では導入予定がないので、
日本に導入されることは、まだまだ考えにくいですね。