監査人が数字を作るとまずい3つの理由

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"God, I hate pigeons" / maveric2003

税金と税効果の計算は難しいし 毎年、監査での修正が多いので、 監査法人がやってください。 高い監査報酬を払っているのだから。  

ある監査クライアントからこんなことを言われたことがあります。  

私たちも間違いだらけの税金計算を監査するより手っ取り早いので、
そうしたいと何度思ったことかわかりません。  

しかし、以下の3つの理由からそれはできません。  

監査人が数字を作るとまずい理由

1.二重責任の原則(監査人の独立性)に問題がある

財務諸表の作成責任は経営者にあり、
それを監査する責任が監査人にあるという責任分担の原則です。  

監査制度を支える大原則です。  

自分で作った財務諸表を自分で監査するのは自己監査であり、
監査の信頼性がなくなります。  

これが最も大切な理由ですが、他にもあります。  

2.自分で作ると数字を間違える

公認会計士が作ってくれた数字だから大丈夫! と鵜呑みにすると、
不思議なぐらい間違えることになります。  

知識不足が原因ではありません。

自分で作成した数字に対して緊張感を持ってレビューするのは難しいこと、
数字を作るのは自分たちの仕事ではないとの意識が強いことから
単純なミスを見落としやすいためです。  

過去に、言われた仕訳をそのまま入れたら
繰延税金資産の仕訳が貸借逆だったということがありました。  

数字を間違えたのは監査人だと言えるはずもなく、
責任の所在もあいまいになります。  

3.いつまでも自分でできるようにならない

監査人が来ないと数字が固まらないのでは、
監査が非常に長引きます。

監査クライアントに進歩がなく、毎年甘えられても困ってしまいます。  

魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える

さすがに、大企業から「数字を作ってくれ」と言われることはありませんが、
中堅企業では、今でもたまにあります。  

経営者が税理士事務所と混同しているのかもしれません。
高い報酬を払っているのだからという気持ちも理解できます。
決算が大炎上して仕方なくということもあります。  

しかし、クライアントが数字を作れなくても、 監査人が突き放すことはあり得ません。  
わかるまで何度でも監査人に質問しましょう。

自分でできるようになるまで、
とことん付き合ってもらえるはずです。  

数字を作ってもらえることが、必ずしも親切なことではないのです。