監査で一番大切なこと

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最近、締め切りの意識が弱い監査をみる機会がありました。  

もちろん監査報告書の日付は決まっているのでしょうが、
いつ監査が終わるのか、明確にクライアントに伝えていませんでした。  

会社の人は、毎年、なんとなく監査が終わっていると言っていました。  

締め切り間際まで、監査人はがんばらないので、
だらだらとムダな工数が発生していたと考えられます。  

監査で一番大切なこと

私は、締め切りが一番大切だと思っています。  

締め切りがなければ、監査は10年たっても終わることはありません。
会社の全ての取引と、全ての会計記録をチェックするまで監査は続きます。  

締め切りがあるからこそ、リスク・アプローチ(リスクの高いところを重点的に監査する)
という監査手法が生まれたのだと思います。  

締め切りが明確であれば、多少な無理なスケジュールでも、
自動的に締め切りに向けて監査は進んでいきます。  

締め切りの力を使えば無理そうな会計処理も通せる

決算前に重要論点は全て監査人と合意すべきですが、 それができないこともあります。

  • 数年間赤字が続いているが、繰延税金資産を計上したい
  • 不採算店舗があるが、まだ減損したくない

このような無理そうな会計処理を監査で通したい場合、
その唯一の方法は時間切れを待つことです。  

決算前の事前打ち合わせで監査人が「うん」ということはないので、
寝技に持ち込み、追い詰める必要があります。  

無理そうな会計処理も、締め切り間際になれば解決します。
(本当に無理なものは、もちろん無理です。)  

締め切り間際で、監査人に多少の妥協が生まれることも事実ですが、
それ以上に火事場のクソ力と、今まで気付かなかった天才的なひらめきで 切り抜けることができます。  

不思議ですが、これまでの経験上間違いありません。
(言うまでもありませんが、精神的なストレスが大きくなるので、
よほどの理由がない限り、意図的に時間切れを待つのはやめた方がいいです。)  

監査のスケジュールは必ず事前に固めましょう

締め切りを監査報告書日だけに設定するべきではありません。

監査経過報告会(上場会社であれば決算短信の発表前)や講評会を設定し、
これらを締め切りとして意識すべきです。  

言いにくいかもしれませんが、締め切りを明確にせず、
なんとなく監査が終わっているような場合は、
監査人にはっきりと改善依頼することをおすすめします。