監査事務所のローテーション制度についてのアンケート結果

週間経営財務(No.3239号)で、
監査事務所のローテーション制度についてのアンケート結果
に関する記事がありました。
アンケートのうち、気になったものをいくつか抜粋します。
ローテーション制度は必要か?
- 上場企業 「はい」・・・37.5%
- 公認会計士「はい」・・・32.6%
だいたい同じような結果になっています。
上場企業は、監査工数の増加を嫌い、
会計士としては、仕事を失うことになるので、
「はい」が少なくなるのは、よく分かります。
不正の防止に効果があるか?
- 上場企業 「はい」・・・50.0%
- 公認会計士「はい」・・・39.5%
上場企業よりも、
会計士の方が効果を感じていないようです。
たしかに、監査人交代したからといって、
ただちに不正が見つかる訳でもないでしょう。
過去のしがらみで続けているような
おかしな取引があれば、交代は効果的です。
しかし、不正を見つけることを期待されても困ってしまいます。
最後に、監査報酬は上がるか?
- 上場企業 「はい」・・・51.6%
- 公認会計士「はい」・・・28.6%
会計士は、報酬が下がると思っています。
やることは確実に増えるのですが、
競争が激しくなることを懸念しているようです。
一方で、会社側は上がると思っているようなので、
会計士が報酬に関して弱気すぎるのかもしれません。
まとめ
監査事務所のローテーション制度を導入すべきか
アンケートから、極端な結果が出ていないように、
結論を出すのは難しそうです。
「新しい目で監査ができる」というメリットと、
「やることが増える」というデメリットは、
どちらがいいとははっきり言えない問題です。
ただまあ、ごく一部の問題企業のために、
全ての会社でやることが増えるのは勘弁して欲しいと思いますが。
監査事務所のローテーション制度は、
欧州で先行導入されます。(こちらの記事を参照)
しかし、日本では、
少なくとも米国が動かない以上は、様子見でしょう。