監査に耐えられるWACCの計算方法 2 - 資本構成の決定

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Maths / ajc1

WACCの加重平均計算では、
会社の現在の資本構成比率は使用しません。  

「現在の資本構成を将来にわたって継続する」
という経営方針が明確になっていない限り、使用できません。  

今後、会社が有利子負債と自己資本を
どのように組み合わせて資金調達をするか、
目標資本構成が使用すべき資本構成になります。  

厳密に計算する場合

理論的には、以下の順で資本構成を決定します。  

① 有利子負債を時価にする短期借入は、帳簿価額をそのまま使用します。
長期借入は、借入期間、返済スケジュール、借入金利に基づいて時価評価します。
リース債務も同様です。  

② 自己資本を時価にする 上場会社であれば時価総額(株価×発行済み株式総数)を使用します。
非上場会社であれば帳簿価額でもやむなしと思います。  

③ 上場企業で類似企業を選定する類似企業は、同業で、企業規模も近いものがベストです。
できれば3~5社程度ピックアップしたいところです。  

④ 資本構成を決定する
自社の資本構成と類似企業の資本構成を比較分析します。

将来どのような資本構成を目指しているかを将来計画や
経営者へのインタビューなどから読み取ります。

以上を総合的に判断し決定します。  

簡単に書きましたが、実際やるのは難しいと思います。
特に④で合理的な根拠を用意するのはたいへんです。    

簡便的に計算する場合

2つの方法が考えられます。  

上場企業で類似企業を選定します。
こちらも3~5社程度はピックアップしたいです。

類似企業と自社の資本構成比率の平均値を使用します。  

もっと簡便的に、負債と資本の比率を1:1とするケースも多いようです。
(企業価値評価を担当する部門のパートナーから聞いた話です。ご参考までに。)  

類似企業と自社の資本構成がかけ離れている場合、
将来の目指す資本構成が明確になっていない場合など、
平均をとって1:1のようです。  

確かに、「将来の目指す資本構成」と言われても困りますが、
1:1を採用する場合でも資本構成比率の比較分析等で、
何かしら理由付けをしておく方がベターなのは間違いないでしょう。