見やすいスプレッドシートを作成する7つのポイント

スプレッドシートはエクセルで作成した表を指します。
経理でも、監査でも日々、大量のスプレッドシートを作成しています。
私も監査チームマネージャーの立場から、
非常に多くのスプレッドシートをレビューしてきました。
その経験から、シンプルで見やすい表であることが、
中身よりも重要だと思っています。
見やすければ、間違っている点や不足している点もすぐにわかります。
逆に、いろんな情報を整理せずにつめ込んだだけの場合、
情報が足りていたとしても、
そもそも読む気になりません。
レビューする立場の人は、
日々大量のレビューが要求されます。
よほど我慢強い人でない限りレビューが適当になり、
かえって重要なミスの原因になります。
数字を間違えた、監査で見落としがあったというのは、
単なるレビューの怠慢というだけでなく、
日々どれだけ見やすい表を作って運用できているか
という点にかかっていると思います。
そこで今回は、
見やすいスプレッドシート作成の7つのポイント
について解説します。
この記事の目次
①不要な情報を削除してある
伝えたいメッセージは1つしかなかったとしても、
計算過程やバックデータが同じシートに固まっていた場合、
何がいいたいのかわからなくなります。
スプレッドシートは
説明せずとも理解してもらえるレベル
にするのが理想です。
最初のシートはもっとも重要な表だけにし、
その他の不要な情報は削除すべきです。
バックデータは別のシートに固めて、
バックデータである旨を記載します。
②できるだけ「数字の直接入力」、「値貼り付け」をしない
最初のシートに重要な表をもってきましたが、
その表中の数字は、別シートに固めたバックデータ
を参照することがベストです。
あとでレビューが簡単になります。
もう1つよくあるのが、
どこから数字を持ってきたか忘れてしまうことです。
なお、バックデータが重すぎる場合、
別ファイルを参照しないといけない場合などは、
数字の直接入力や値貼り付けでいいと思います。
③すべての計算が足し算のみで流れるようにする
表中の計算式では、引き算は使わずに、
数字を直接マイナスで入力します。
このようにすることで、次のメリットがあります。
・ひと目でその数字を足しているのか、引いているのか分かる
・セルを参照し、計算式を確認する手間がなくなる
・プリントアウトした表であれば、電卓で数字を確認する手間がなくなる
下表は極端な例ですが、見直してみると、
できていない表が多くあることに気づくと思います。
悪い例 | 良い例 | |
退職給付債務 | 15,000 | -15,000 |
年金資産 | 5,000 | 5,000 |
退職給付信託資産 | 3,000 | 3,000 |
未認識数理計算上差異 | -200 | -200 |
合計:退職給付引当金 | 7,200 | -7,200 |
④難しい関数をつかわない
sumif、vlookupまでがちょうど良いと思います。
それ以上難しい関数を使うと、説明がたいへんです。
マクロもおすすめしません。
メンテナンスが困難になります。
⑤体裁を統一する
行の幅、列の幅、文字のフォント、サイズ、罫線の太さ、文字は左揃え、数字は右揃えなどです。
基本的な事項ですが、
スプレッドシートを作成した人のサービス精神
があらわれるポイントだと思います。
⑥色は多くても2色までとする
色を多用していると、伝えたいポイントがわからなくなります。
本当に重要な場所のみに色を限定すべきです。
特に派手な色が付いていると、そこにしか目が行かなくなります。
⑦セルを結合しない
のちのち、コピペする際にセルの結合が邪魔になることがよくあります。
見やすくなることもありますが、加工が難しい表になります。
まとめ
見やすい表を作るのは、ごちゃごちゃな表を作るより、
ずっと時間がかかり、難しいものです。
しかし、決算効率化のためには、
下手なコンサルに頼むよりも即効性があり、
かつ、取り組み易い項目です。
以上のポイントを踏まえて、
決算の都度でも少しずつ改良いただければ幸いです。