使ってもらえる決算業務マニュアルを作成する5つのポイント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
Dictionary / greeblie

あなたの会社でも業務マニュアルを作成したことがある、 あるいは、作成しようとしたことがあると思います。  

そして、業務マニュアルが重要という認識もあると思います。
誰でも、ないよりあった方がいいと言います。  

しかし、せっかく作成した業務マニュアルを全く見ていない、
あるいは、見直しをせずに現状の業務に合わなくなっている、
ということが多く起きています。

監査をする立場でも、業務マニュアルは内部統制評価の前に少し見て、
期末監査になると見なくなる(存在自体忘れる)ことがほとんどでした。  

業務マニュアルを見なくなるのは、

  • 業務マニュアルに意義を感じない
  • 作ること、見直すことが面倒くさい

という理由が大きいようです。  

あなたの会社では業務マニュアルをうまく活用できているでしょうか。

今回は、使ってもらえる決算業務マニュアルを作成するための5つのポイント
についてお話したいと思います。

スプレッドシートに直接書き込む  

エクセルファイルに「マニュアル」と書いたシートを一枚追加し、そこに書きます。
または、数字の入ったセルにコメントを挿入するのも効果的です。  

ワードやパワポで作成した場合、見栄えはよくなりますが、
体裁にこだわる必要がない限りおすすめしません。  

その理由は、別ファイルになることでマニュアルと数字の距離が遠くなることにあります。  
距離が遠くなることの問題は以下の3つです。  

文字では伝えづらい情報が多い 

たとえば、「棚卸資産の塗料の期末評価単価は、調達管理システムから自動計算される平均単価を使用する。
平均単価は、調達部が作成し、✕✕フォルダに格納されている。」のように、
数字のバックデータと転記先を文字で伝えたとします。  

しかし、どんなに文章がうまくても伝えるのに限界があります。  

「わかりづらいからあとで確認すればいい」、
あるいは「直接エクセルファイルを確認した方が速い」となり、
マニュアルを見ること自体が面倒になります。  

スプレッドシートと突き合わせて確認するためにプリントアウトしたくなる  

紙がもったいないのもありますが、かさ張ります。
ファイリングが面倒なので、捨てます。
次の四半期でまたプリントアウトします。(以下繰り返し)  

メンテナンスしなくなる  

メンテナンスしたくても、別ファイルを開くのが面倒です。
メンテナンスしたい場所を探すのも面倒です。
どんどんマニュアルが現状の業務から離れていきます。  

以上の問題を解決するため、スプレッドシートに直接書くことをおすすめします。  

とにかく書いてみる  

どんな内容で、どんな順番でもいいので、まずは書いてみます。

  • 時系列(どの営業日に何をするか)
  • なぜこの作業をするのか
  • 間違えやすいところ
  • 時間のかかるところ
  • 数字の不一致が発生したきのチェックポイント
  • 過去の監査上の指摘事項

とにかく自分が伝えたいことを書きます。  
なお、教科書的な業務マニュアル作成手順では、

  • 会社の業務を洗い出す
  • マニュアル化する業務を抽出する
  • 業務を体系化する
  • マニュアルのレイアウトを考える
  • 見出しを考え、階層化する
  • マニュアルのフォームを標準化する

などがよく言われますが、面倒なのでおすすめしません。  

業務マニュアルの作成は、重要度は高いが緊急ではない業務の典型です。
したがって、面倒なことはできるだけ排除しないと いつまでも取り掛からないことになります。  

決算の都度、少しずつ書き足すだけで十分です。  

話しことばで簡潔に書く  

一文を短くします。 箇条書きでも十分です。
丁寧な文章にしてもそれが伝わるかどうかは別です。  

普段の自分の作業を、そのまま話しことばで書きます。  

書きすぎない  

業務マニュアルといえば、J-SOX対応で整備したイメージが強いと思います。
作ること自体が目的化していました。

その時の脅迫観念から、大量の文書化が必要と考える人もいます。  
しかし、ボリュームを求める必要はありません。

ポイントに絞るべきです。  

書くことがなければ、一行で終わっても十分です。  

業務マニュアルに完成はないことを理解する  

完璧なものを求めてもムダです。  

会社の業務は日々変わります。
業務に合わせてメンテナンスは常に必要となります。
作って終わりになるような性質のものではありません。  

メンテナンスされない業務マニュアルは、ないのと同じです。  

業務マニュアルとしては不十分?

以上のポイントについて、業務マニュアルというより
「注意書きレベル」ではないか という印象を受けた方もいると思います。  

しかし、業務マニュアルよりも、机の中にしまってある
「引き継ぎメモ」の方が役に立った という経験をされた方も多いのではないでしょうか。  

使われない業務マニュアルよりも、
使われる注意書きの方が有意義なはずです。  

ご参考にしていただければ幸いです。