監査法人のゼネコン化

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West Seattle Bridge under construction, circa 1983 / seattlemunicipalarchives

監査報酬に関して、 自分が独立して初めて知ったことがあります。  

監査のような公認会計士が行う保証業務では、
紹介者が紹介手数料を受け取ることが禁止されています。
(コンサル業務は大丈夫のようです。)  

日本公認会計士協会の倫理規則
(最終変更 平成26年7月9日)では、
以下のように規制されています。  

(紹介手数料)第23条2項 保証業務においては、公正性の原則や職業的専門家としての能力及び正当な注意の原則の遵守に加え、独立性が求められることから、保証業務の契約締結に係る紹介手数料や仲介料等の授受については通常いかなるセーフガードを適用しても阻害要因の重要性の程度を許容可能な水準まで軽減することはできない。したがって、会計事務所等所属の会員は、保証業務を紹介し、又は紹介されたことに関して、紹介手数料その他当該業務から生じる報酬若しくはその他の対価を受領し、又は支払ってはならない。

このため、税理士を紹介するビジネスがあっても、
公認会計士では同様のビジネスが存在していません。  

規制の趣旨

「監査法人のゼネコン化」を防止することのようです。  

大手監査法人が仕事をとり、
ピンハネして仕事を回すと 下請けとなった会計事務所では、
十分な監査報酬が確保できなくなります。  

その結果、十分な監査リソースが投入できず、
監査の質が落ちてしまうためです。  

安すぎる監査報酬での契約が禁止されていることと、同じ理由です。  

実際は紹介手数料を取る余裕もない

以前の記事にも書きましたが、
上場準備会社の監査報酬は本当に安いと思います。  

たとえば、上場後に業績を下方修正したことで、
「上場ゴール」と話題になったgumiの監査報酬は
連結子会社を含めて26百万円(平成26年4月期)です。  

上場会社の監査報酬としては、 ギリギリのラインです。

上場直前期などは、赤字だと思います。  

これで紹介手数料など取られては、
監査どころではなくなりそうです。  

禁止されている理由も妙に納得です。