コンプライアンスとは?コンプライアンスの意味まとめ

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コンプライアンス2

フォルクスワーゲンの排ガス不正問題がたいへんな盛り上がりを見せています。

コンプライアンス違反の事例としては、過去最大規模の不祥事となりそうですね。

コンプライアンスの重要性は、ずっと前から認識されていますが、今後、さらに注目を集めることは間違いありません。

そこで今回は、そもそもコンプライアンスとは何か?
という点を解説していきたいと思います。

コンプライアンスの定義

コンプライアンスに明確な定義は存在せず、
人によって様々に解釈されています。

なかでも、コンプライアンスを広く捉えるか、
狭く捉えるかで、見解が分かれているようです。

狭い定義
コンプライアンスを直訳すれば、「法令遵守」です。
そのまま、「法令遵守」がコンプライアンスの定義と考えます。

広い定義
「法令遵守」は、当然のことで、それだけでは不十分という考えです。

もっと広く、社会の規範の遵守、
つまり、倫理、道徳、社会貢献などを含みます。

加えて、それらを遵守するための社内規程やマニュアルの整備、
さらには、その運用までを含めて、コンプライアンスと考えます。

コンプライアンス

法令違反はしていないが非難された”gumiショック”

ゲーム会社のgumiが、2014年12月に東証一部に上場し、
その直後に業績予想を営業黒字13億円から営業赤字4億円に下方修正しました。

株価がストップ安になり、”上場ゴール”と大きく非難を浴びました。

2015年10月5日号のプレジデントに、
「どうしてGumiショックは起こった?」という内容の、
Gumi社長のインタビュー記事がありました。

  • 無理だと思われるくらいの目標を掲げて、それに挑戦し、乗り越えていくのがベンチャー企業のやり方です。
  • しかし、上場後も同じことを続けたのがいけなかった。上場すれば、世間の見方が変わるのだから、もっと保守的にやるべきでした。
  • 別に法律に違反したわけでもないのに、という思いはあります。ただ、目標に達しなかったことは事実だし、株価が下がって損をした人がいたことも事実です。それらに対する責任は経営者として感じていて、まわりから言われることは仕方がないと思っています。

「法律に違反したわけでもないのに」
というのは、正直な気持ちだと思います。

だからといって、許してもらえるほど世の中、甘くありません。

なので、今は、コンプライアンスを「法令遵守」だけでなく、
社会規範の遵守までを含めた
広義に捉えたほうが無難なように思います。

コンプライアンス違反の影響

フォルクスワーゲンの排ガス不正では、
米環境当局の制裁金が180億ドル(約2兆2000億円)を超える可能性がある
と、報道されています。

VWのバランスシートには6月末時点で
約290億ドルの現金・現金同等物があるようなので、
なんとか支払える金額だとは思います。

しかし、何十年とかけてため込んだキャッシュを
いっきに吐き出すことになります。

仮に制裁金がなかったとしても、
・信用失墜による売上減
・組織内の責任のなすりつけあいによる士気の低下
・有能な人材の流出
といった、さまざまなマイナス影響が考えられます。

コンプライアンス違反の特徴は、
たった1つの違反で、会社の存続すら危なくなること
にあります。

コンプライアンス違反企業の倒産

帝国データバンクが公表するコンプライアンス違反企業の倒産件数によると、
2014年度において過去最高の219件の倒産が起きています。

コンプライアンス違反倒産

違反の類型で最も多いのが、「粉飾」で、約4割を占めます。

コンプライアンス違反の類型
出典:帝国データバンク 2014年度 コンプライアンス違反企業の倒産動向調査

粉飾の場合、
倒産の危機にあるので、粉飾したのであって、
粉飾したから倒産したわけではないと思います。

しかしながら、粉飾以外の6割については、
コンプライアンス違反が倒産の引き金となった可能性が高いと考えられます。

コンプライアンス違反の起きる原因

以前の記事で不正の定義を確認しましたが、
コンプライアンス違反は、不正の3つのカテゴリーのうちの1つに該当します。

したがって、コンプライアンスが起きる原因は、
不正の発生要因を分析した「不正のトライアングル」
で説明することができます。
不正のトライアングル

コンプライアンス違反を防止するための取組

コンプライアンス違反を防止するための取組として、
米国連邦量刑ガイドラインを参考にすることができます。

米国連邦量刑ガイドラインは、
コンプライアンス違反に対する連邦裁判所の量刑裁量の基準
を明確化するために作成されたガイドラインで、
1991年に施行され、2004年に改訂されています。

方策

説明

ルールの確立・周知

コンプライアンスプログラム(基準、手続き)を策定し、職員等への周知徹底を図る。

監督責任者の権限確保

コンプライアンスに関して権限を有する責任者を設置する。

研修・教育プログラムの実施

コンプライアンスプログラムを作成し公開したのみでは、なかなか浸透しないため、継続的にコンプライアンスに関する研修を実施する。

監査システム・社内通報制度の整備

コンプライアンスプログラムが実践されているかを確認するため、監査システムを構築し、また違反情報収集のための社内通報制度も整備する。

適正な処分と公表システムの整備

コンプライアンス違反を犯した者に対しては、厳正な処分を実施し、また外部への公表の仕組みも整備する。

見直しと修正

環境によりリスクは常に変化するため、コンプライアンスプログラムの内容も定期的な見直しをしなければ形骸化してしまう。

実は、これらの方策は内部統制の構築と
ほとんどイコールであることがわかります。

内部統制の目的は、
・業務の有効性及び効率性
・財務報告の信頼性
・事業活動に関わる法令等の遵守
の3つであり、3つ目はコンプライアンスそのものです。

したがって、
内部統制の構築=コンプライアンス違反の防止
ということができます。

だからこそ、
コンプライアンスへの取り組みとしてキモとなるのは、
結局のところ、経営トップの意識です。

フォルクスワーゲンでも、東芝でも、
経営トップは「自分は知らなかった」とか「関与していない」
と、言うのだと思います。

しかしながら、経営トップの意識の低さや無関心が、
コンプライアンス違反を起こす最大の要因であることは間違いありません。