決算書で読むべきたった1つのポイント

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Financial Statement / lendingmemo

「決算書はここだけ読みなさい」
このようなタイトルの書籍が多く出版されています。
(特にこの時期多い気がするのですが、気のせいでしょうか。)

オーソドックスな流れとしては、
BSからはじまり、PL、キャッシュフローと理解し、
財務分析によって、収益性、安全性や資金繰りを理解する、というものです。

決算書の読み方、見方にも、さまざまな着眼点があり、
入門書を読んだとしても、けっこうな時間が必要です。

決算書を読むポイントとしては多すぎる気もします。

決算書で読むべきポイントを1つだけにした場合は何になるか?

私は、ずばり利益だと思っています。

でもって、単年度だけ見てもあまり意味がなく、
過去複数年度の利益の推移を見ます。

有価証券報告書で言えば、
冒頭にある「主要な経営指標等の推移」のうちの
税金等調整前当期純利益の推移を見ます。

下は、トヨタの例です。

トヨタ業績推移

収益性も、安全性も、資金繰りも
それぞれに、さまざまな財務指標が存在しますが、
利益の推移がその全てを表しています。

利益が安定して出ていれば、
収益力があって、安全で、資金繰りにも問題がないと言えます。

もともと、決算書では、利益の推移だけを見ればいいというのは、
私が就職活動中に、ある商社の経理部長が教えてくれました。

就職する会社を選ぶ際には、
知名度よりも、業種よりも、やりがいよりも、福利厚生よりも、
安定的に利益の出ている会社であることが重要だ!
というものです。

そのとおりだと思います。

ウォーレン・バフェットの投資本を読んだ時も、
利益が安定的に出ているかどうかを
もっとも重視していたように記憶しています。

つまり、いい会社かどうかを知りたいだけであれば、
利益の推移を見れば十分ということです。

利益の次に見るべきポイントは何か?

同じく「主要な経営指標等の推移」になりますが、
営業キャッシュフローは注意した方がいいかもしれません。

下記は、2015年4月に、黒字倒産で有名になった江守商事の例です。

江守 業績推移

通常は、利益が出ていれば、営業キャッシュフローはプラスになります。

しかし、江守商事は、利益が出ているのに、
営業キャッシュュフローが大幅にマイナスで、
かつ、その状況が何年も続いていました。

資金繰りが苦しくなり、倒産することになったのですが、
レアケースなので、やはり利益ほどの重要性はないと思っています。

利益以外の情報を見るのは、利益の数字を疑っている場合

有価証券報告書はとても分厚く、
BS、PL、キャッシュフロー計算書、注記などと
さまざまな情報が開示されています。

しかし、会計士が言うのも不適切かもしれませんが、
正直、見なくていい情報ばかりです。

繰延税金資産や退職給付引当金の内訳が
投資意思決定に影響するとも思えず、過剰です。

利益以外の情報を見ることが必要になるのは、
利益の数字を疑っている場合だと思っています。

たとえば、銀行の融資担当者が中小企業の決算書を見る場合には、
利益を見るだけでは、当然のことながら不十分です。

というのは、中小企業の決算書は、
銀行に見せるように数字を操作していることが多いからです。

どこに疑わしい点があるか、それを見抜くために、
さまざまな着眼点で決算書が読める必要があり、
そういう場合は、やはり入門書で勉強することがおすすめです。

でもって、上場会社のように、会計監査を受けている会社の場合は、
やはり、利益以外は見なくていいという結論になりますね。