新日本監査法人に対する勧告は他人事か?

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公認会計士・監査審査会が12月15日に、
新日本監査法人に対して行政処分その他の措置を講ずるよう金融庁に勧告しました。

新日本有限責任監査法人に対する検査結果に基づく勧告について

勧告文に「東芝」の文字はなく、
「監査が全部ダメでした。」みたいな書きっぷりです。

しかし、会計監査に携わっている会計士であれば、
「どこも一緒じゃないの??」と思えるような内容です。

例えば、以下の文章。

業務執行社員がリスクの識別、リスク対応手続の策定等にあたり、職業的懐疑心を十分に保持・発揮しておらず、また、実施した監査手続から得られた監査証拠の十分性及び適切性について検討する姿勢が不足している。

職業的懐疑心は、
「言うは易く行うは難し」の代表的なものです。

監査証拠を鵜呑みせず、全てを疑って、批判的に評価する

そんな悠長なことをやっている時間はありません。
監査でやらないといけないことが多過ぎます。

勧告を受けての改善策が、

  • 監査でやるべき手続を増やしましょう
  • 監査調書で文章にする分量を増やしましょう

といったものであれば、
おそらく、これからも何も変わらないはずです。

というのは、すでにどこの監査法人も限界一杯までやっています。。
消化不良を起こして、かえって見落としが増えているというのが、
実情ではないでしょうか。

いずれにせよ、世間の会計監査に対する期待値が高過ぎると思います。

  • 会計監査は、不正を見つけることが目的
  • 監査人が不正を見つけられなかったら、不正をした張本人と同罪

ぐらいに思われていないでしょうか。。。
だとしたら、酷すぎます。

実際のところ、不正が、会計監査で見つかることはレアケースで、
不正が発覚するケースとしては、ほとんどが内部通報です。

会計監査で不正が見つかるのは、
それこそ交通事故に合うぐらいの確率です。

なので、やることを増やすだけの改善策にならないことを祈るばかりです。

まずは、会計監査の限界を
しっかりと伝える方が重要ではないでしょうか。

いっそのこと、
「不正は見つかりませんよ。」
と、言ってしまった方が楽になると思います。